デスバードのその後

前回のコラム(VSマッドサンダー6)の続き。

前回、これならいけると思うとして挙げたデスバード。改めて傑作改造ゾイドだと思う。ただ……、そういえばこのゾイドは最終的にどうなったのだろう?


そのラストは描かれなかった。
まぁ、改造ゾイドは一回こっきり登場な事が多くて、結末不明な機の方が圧倒的に多い。
同じ時期に登場したゾイドで言うと、ビッグ・バッド・ジョンやデスシャドーなんかも結末は不明だ。

ただ、デスバードは改造ゾイドとしては異例なほどに登場シーンが多かった。
・共和国秘密基地爆撃
・マッドサンダー開発施設(偽)へのゴーレム空輸
・マッドサンダー開発施設(偽)の爆撃


傑作改造ゾイドに相応しい登場シーンの多さだ。
とにかく大活躍している。
そんなデスバードは最終的にどうなったのだろう…。
あのサラマンダーさえ全くかなわない超重爆撃機。中央大陸戦争では史上最強の爆撃機として間違いないだろう。

その後は……、4パターンほど考えられるだろうか。

1:耐久限界を過ぎて退役
これはデスザウラーが魔改造されすぎている点からの想像した。
デスバードの仕様というのは、もはや完全に原型機とは異なるものになっている。もはやデスザウラーをエネルギー源としてのみ利用している感じがする。
なのでコアの拒絶反応などが考えられる。使用してるうちにストレスが過度になりそうだ。
そうした理由で、末期にはもはやコアが限界を超えており飛べなくなっていた可能性を考えた。

開発者のマイケル・ホバートは、この時期は「技術」にのみ囚われていた。
デスバードの改造の方向性は後の暗黒軍のディオハリコン、共和国軍のTFゾイド、キメラゾイドなどに近い感じがする。
ゾイドの生物としての面をあまり見ていない。

2:マッドサンダーに撃墜された
マッドサンダーの対空砲といえばキャノンビーム砲。
これは考えれば不思議な装備である。というのも対空砲としては過剰に大きい。
帝国軍が開発したなら分かる。「巨鳥サラマンダーを撃ち落すには高威力の砲が必要→大型砲を装備した」となるから。

しかし共和国軍はなぜ大型対空砲を必要としたのだろう?
レドラーやシュトルヒを狙うにしては明らかに過剰なサイズだ。
まぁ、キャノンビーム砲は実際は対地上ゾイド用の目的が主で「対空砲撃”も”可能」というオマケ程度なのかもしれないが……。

ただ、わざわざ解説に「飛行ゾイドを攻撃する」と書いてあるのは意図を感じる。
この巨砲を対空射撃可能な仕様にした理由はあるはず。
もしかすると、共和国軍はマッドサンダー開発中において「デスバードが量産されたら……」という警戒をしていたのかもしれない。
帝国軍がまとまった数のデスザウラーをデスバードに改造したらどうなる? 一機であの強さなのに……。
「これに対抗する装備が必要だ」
そんなわけで、キャノンビーム砲は対空射撃可能になったのかもしれない。

そして目的の通りデスバードを落とした。

3:レイノスに撃墜された
これはかなり濃厚かと思う。
デスバードはプテラスを警戒していた。プテラスが運動性を発揮できない高高度で戦った。これは、決して対戦闘機戦は得意ではないことを示している。
なので、プテラスを大幅に超える次世代戦闘機レイノスにやられた可能性は高いと思う。
アフターバーナーを全開にしたレイノスは、デスバードが高高度に上昇するより先に射程に捉えるだろう。

4:生き延びて暗黒軍が接収した
これも濃厚かと思う。
デスバードはマッドサンダーやレイノスの登場で安全な運用が難しくなってきた。
そこで出撃を制限されるようになり………、その内に帝国は暗黒軍に裏切られて保有する装備の全てを奪われた。
当然、デスバードもその中の一機となった。
この異様な改造ゾイドは暗黒軍によって徹底的に研究され、ギル・ベイダーの開発にも大いに活かされた。

あるいは、末期の帝国が暗黒軍の協力を仰ぐべく「見返り」として積極的に提供した可能性もあるのかもしれない。

という事で4説考えてみた。どれもなかなか甲乙つけ難い。
何とも妄想しがいがあるゾイドだと思う。

どの説も捨て難いので、個人的には全てミックスして以下のように考えたいと思う。

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デスバードは数々の戦果を挙げたが、次第に機体は耐用限界に達しようとしていた。※1の説
元より”魔改造”をしていたので無理があったのだ。しかも開発者のマイケル・ホバートが共和国側に捕らえられる事件があったので、修理や整備は更に困難になっていた(無論マニュアルはあっただろうが、やはりワンオフ改造機なので開発者でなければ分からない所もあるだろう)。

それでも、不利になった戦況を覆すべく出撃を繰り返した。
だが大型対空砲を持つマッドサンダーや新鋭機レイノスに迎撃され、ついに深刻なダメージを負った。※2、3の説

それでもデスバードは最後の力を振り絞り、自軍支配域まで離脱した。
だがどうにか帰還に成功したデスバードだったが、もはや修理不可能なダメージ量であった。
再出撃は不可能になった。

同じ頃、もはや勝つ見込みがないゼネバス帝国はガイロス帝国(暗黒軍)に救援を要請していた。
無論、ただで動いてくれるわけはない。相応の見返りが必要だ。また見返りが魅力的であるほど救援の規模も大きくなろう。
もはや再出撃の叶わないデスバードは、暗黒軍に研究用として譲渡される事になった。※4の説
これが最終兵器ギル・ベイダー開発に大いに活かされたのは言うまでもない。
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そんなわけで、デスバードのその後を考えた。
本当に魅力的な改造ゾイドだ。

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