VSマッドサンダーvol.4

こちらのコラム(VSマッドサンダーvol.3)の続き。

前回のコラムでは、デスザウラー2機では確実に勝てないかもしれない……と考えた。
3機居ればまぁ勝てるだろう。
しかしこれでは面白くない。そりゃぁ数を揃えりゃ勝てる。
出来るだけ少数で勝ちたいので、今回はそれを研究したい。

デスザウラーを改造して勝つ事はできないだろうか。
バトルストーリーでは改造デスザウラーが挑むケースが多くあった。

全体能力能力向上型であるところの「デスザウラーMK-II」「デスファイター」は完敗した。
やっぱり正統派な改造では単機で勝つのは難しいのだろうか。

ただ、デスファイターなら剣を使ってどうにかならないだろうか。

これはデスファイターの剣がマッドサンダー頭部に当たって折れてしまったシーンだが、バカ正直に一番防御力が高いであろう場所を叩いたからではないだろうか……。
まぁ、これはマイケル・ホバートなりの意地だったのだとは思うのだが。
彼はチェスター教授を超えようとしていたので、自らの最強武器を敵の最大防御の部分に当てて破壊する事こそが勝利と考えていたのだろう。

ただ、こだわりを捨てて勝つためだけに全力を尽くしていれば。
足の延長、更に背中と肩にブースターを持つデスファイターは、運動性が大きく向上しているだろう。
全力で突撃して直前で側面に回る。そして横から剣を振り落ろせばマッドが前後に真っ二つ……になったりしないだろうか。

デスファイター最大の武器であるところの剣。名称はエクスカリバー。

切れ味はいかほどか。
ゾイドバトルストーリーでは
「帝国の大型ゾイドの中で、デスファイターのみが使用できる巨大な剣。恐るべき切れ味を持つ。この剣を、デスファイターは片手で軽々と扱い、縦横無尽に動き回り、一撃で敵を切り倒す戦法を用いる」
と解説されている。

ウルトラの首。ゴジュラスやシールドライガーの胴体。これくらいならバッサリ切れると思う。
マッドサンダーに通用するか……というと、ハイパーローリングチャージャーや砲くらいなら潰せるだろう。
だが背中の分厚い装甲を切るにはちょっと不足かなぁ…とも思う。
コアまでは切れないだろう。

何故なら、上の頭部にはじかれ折れたシーンを見直して欲しい。このシーンにおいてマッドサンダーはハイパーローリングチャージャーを回していない。
力を込めていない状態……、要するに単純な装甲の強さだけでエクスカリバーを退けたと考えられる。
頭部も背中もハイパーローリングチャージャーを回していない「通常時の状態」であれば強度は同じと思う。

あとは、側面に回り込んだとしてもマッドサンダーは首を曲げてマグネーザーで受け止めそうな気もする。
なにせマッドサンダーはグレートサーベルの動きさえとらえる。
本体(脚)は鈍くても、相手をとらえる動体視力と首の可動は極めて優秀なのだ。

デスファイターでは厳しい。

 

大陸間戦争時に登場した「ギル・ザウラー」であれば、次元の違う切れ味のブレードを持っている。

これはキングゴジュラスさえ易々と切った。
この新時代の装備を付けさえすれば勝てるのかな? とも思った。

ギル・ザウラーについて少し。
ギル・ザウラーは多分荷電粒子砲を撃てない仕様と推測している。
ただし荷電粒子エネルギーをブレードに込めている。要はビームスマッシャーのような感じで。
だから広範囲に射出する荷電粒子砲よりも対部隊用能力では圧倒的に劣る。そのぶんキンゴジュさえ切れるほどに切れ味に特化しているのだと思う。

デスザウラーを対マッドサンダー用に特化改造するならそれだと思う。
切れ味に特化した剣でもって問答無用でぶった切る。

ただ「中央大陸戦争時代」では、いかにゼネバス帝国の超技術をもってしても難しそうな気もするのがネックだろうか……。
ギル・ザウラーのブレードは、ギル・ベイダーのビームスマッシャー開発経験を経たからこその装備だろう。

それと「対マッドに特化して荷電粒子砲を捨てる」これはこれでマッドサンダー以外の共和国部隊に対抗できなくなりそうでもある。
今回は対マッドサンダー戦術を考えるだけだから良い。だがバトルストーリーでそういう仕様が出てきたら、それこそウルトラザウルス、ゴジュラスMK-II部隊に接近前にキャノン砲を撃たれまくってしまうだろう。
荷電粒子砲が無いのでゼロ距離になるまで反撃ができない。
これでは事前に撤退に追い込まれる可能性が飛躍的に高まるし、運よく接近できたとしても剣では倒せる敵の数が少ない。

「対マッドサンダー用に半分をその仕様に。もう半分はノーマルのまま」という運用ができれば良いのだが、残念ながらデスザウラーにはそこまでの数はない。
帝国軍は色々厳しい……。

「1対1で勝てば良い」という条件であれば、「機動力と運動性を上げる」「荷電粒子エネルギーを利用したブレードを装備」という仕様でワンチャンスあるだろうか。
切れ味を極めたブレードを造れば、マグネーザーで受け止めようがそれごと切ってしまえるかもしれない。

ギル・ベイダーはマグネーザーをビームスマッシャーで返り討ちにした事がある。


この通り。
ただまぁ、やはりこれは荷電粒子エネルギーをブレードに応用できるような技術が必要……「後の時代でないと厳しい」というのがやはりネックである。

 

中央大陸戦争時代の技術と運用でどうにかできないか。
改造デスザウラーの中で最も惜しい所までいったのはデスウイングだと思う。


マッドサンダーがいつものように突進してきた。ここで飛び上がり突進をかわす。そして空中から荷電粒子砲を見舞う。
これにてマッドは大破行動不能になった。

残念ながら……、

この後、レイノスが駆けつけデスウイングを撃墜。落下衝撃でデスファイターはバラバラに相成ってしまった……。
これはレイノスが居なければ確実に勝っていたであろう、非常に惜しい一戦だった。

ただマッドサンダーは地上で大破行動不能である。

この後、現場ではマッドサンダー鹵獲を狙う帝国部隊と共和国回収部隊の壮絶な戦いがあっただろう。

 

デスウイングだが、

通常時は翼がたたんである。正面から見ると翼が見えないところがミソだ。
これによりマッドサンダーはいつものデスザウラーだろうと安心して突進した。

瞬時に翼を展開して飛び上がれるのも凄い。
だが「荷電粒子砲を空から見舞う」その割にマッドサンダーが(大破行動不能ではあるが)原形を留めているのは注目ポイントだと思う。

たぶん踏ん張りの効かない空中なので、低出力状態で撃たざるを得ない。
全力で撃とうものなら反動で姿勢が崩れ、そのまま墜落するのだと思う。
むろんマッドサンダーを大破行動不能に追い込んでいるので必要十分な威力ではある。

 

さてそんなデスウイングだが、残念ながら私はそこまで評価していない。
というのもこの一戦に限れば確かに猛威を振るった。レイノスがたまたま近場に居なければ確実に勝利していただろう。
いや、マッドサンダーとの勝負自体は既に勝利で終えていた。予想外の乱入者が来たからああなっただけで…。
(余談だがレイノスの接近を察知できなかったあたりから改めてデスザウラーの電子能力の低さが露呈している)

ではなぜあまり評価していないか。
これはデスウイングが通常時は翼を隠しているという所にヒントがある。
マッドサンダーは相手が通常デスザウラーだと思って飛び込んだ。
逆に言えば、飛行タイプだと分かっていれば決して飛び込まなかっただろう。

そして翼は脆い。レイノスに撃ち抜かれるほど弱い。
まぁ、本格的な飛行ゾイドというより「飛べればいい」という翼だから仕方ないだろう。
しかし……、この強度ではキャノンビーム砲で簡単に撃ち落されてしまう。
「飛べる」というだけで速度や運動性は低いだろう。狙う事も容易い。

この一戦はデスウイングが奇襲を仕掛けられたからこうなった。
だが共和国軍が「飛行タイプデスザウラー出現、警戒せよ」と通達を流せば、それ以降は戦法が通用しなくなってしまう。
迂闊に飛び込まない。飛び込んだとしても、敵が翼を広げた瞬間に砲で撃ちそれを砕く。

 

デスウイングが飛行タイプとバレた後でもマッドサンダーに勝つなら、
1:翼を砕かれない程の強さにする
2:飛行性能そのものを上げて容易に命中しないようにする

これが欲しい。

あとは…、荷電粒子砲の威力が弱まっているのもやっぱりネックである。
大破行動不能に追い込んだので十分と言うこともできるが…、時間をかければマッドサンダー側が応急措置を済ませて行動できるまでに回復するかもしれない。
そうすれば穴を掘って逃げられる可能性は否定できない。
そこで
3:空中からの荷電粒子砲を一撃で仕留められる威力にまで向上させる

これも加えたい。

全て満たすとギル・ベイダーになる。

新ゾイドバトルストーリーによると「デスウイングが予想以上の性能を発揮したのでギル・ベイダーの開発が決定した」とある。
やはりギル・ベイダーはデスザウラー(デスウイング)の発展型なんだろうなぁ……と思った。
またギル・ベイダーは対マッドサンダー用ゾイドと言う事もできる。

ゾイド戦役は…、
まず格闘戦であり(ゴジュラス)
次に砲撃戦であり(アイアンコング)
次に総力戦であり(ウルトラザウルスの部隊統括能力)
これにて共和国が勝った。

そしてウルトラザウルス率いる大軍団に対抗するべく、一点突破で電撃的に敵首都を攻略したのがデスザウラー。
デスザウラーを倒すために生まれたのがマッドサンダー。
対マッドサンダー戦を強く意識し生まれたのがギル・ベイダー。
そう思うと、歴代最強ゾイドは全てつながってるんだなぁと思えてくる。

 

ちょっと話が変わってきたので、今回はこの辺でいったん区切る。
やはりマッドサンダーの壁は厚い。
大陸間戦争時代の技術を使えば突破は可能だが…、中央大陸戦争時代の技術ではいまだ完全突破ができていない。
どうにかできないだろうか。次回は更に考えていきたい。

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