ゴジュラスMK-IIVSデスザウラーvol.2

前回のコラム(ゴジュラスMK-IIVSデスザウラーvol.1)では、ゴジュラスMK-IIVSデスザウラーにおける疑問を書いた。

ジュラスMK-IIはキャノン砲があるのでノーマルより善戦できる。
それは分かるが、どちらもキャノン砲で戦うのに「MK-II(量)なら5機」「MK-II(限)なら2機」となっているのは何故だろう?
今回は、この疑問を解いていきたい。

思いつくところとしては、「限定型の方がキャノン砲の威力が高い」だろうか。
ゴジュラスキャノンは対アイアンコング用に開発されたものだ。だが、「対アイアンコング用」という所から考えればむしろ威力は過剰気味でもある。
「そこで量産型では、アイアンコングを倒せる威力を保った範囲で出力(初速)の調整がされ、やや低い威力になった」
こんな事があったのかもしれない。
私はそう想像した。

むろん威力は高ければ高い方が良い。これは当たり前だ。
「直撃でギリギリ倒せる」威力であれば、直撃させなければ無理。命中角度に装甲ではじかれる可能性もある。
「余裕を持って倒せる」威力なら、命中角度に関係なく倒せる。また命中せずとも「至近弾」で倒せる可能性も高い。
一方、威力が高いと自身にかかる負荷も高い。

ゴジュラスキャノンは、やはり付き位置の問題から限定型ではトラブルが多かったのかもしれない。
キャノン砲の構造を無反動砲にするなど最大限の配慮はしたが、それでも付き位置のロケットエンジンが壊れる事態が多発してしまった。
これが限定型を運用する中で無視できない問題となり、量産型では改められた。
衝撃を更に緩和するべく、出力がやや下げられた……。

量産型の砲は「一発あたりの威力は低下している。だがこれにより安定して撃てるようになった。その為、実質的な攻撃力は上がったといえる」
こんな仕様なのかもしれない。
キャノン砲の攻撃力は、「機嫌よく動いてる時の限定型>量産型>故障し始めた限定型」という考えだ。
運用が長くなると当然故障率は上がっていくから、後期になるほど限定型の実質的な砲撃力は下がっていった……。

そして「戦力比較表では絶好調時の限定型で記述してある」だからこのような評価になっているのである。

さて「量産型のキャノン砲は出力が下がっている」
これの裏付けができる資料はないだろうか。

ゴジュラスキャノンは「42cm長距離キャノン砲」だ。
口径のデータは…、


こちらはゾイドバトルコミックの「ゴジュラス王者伝説」の一コマ。このような所で示されている。
キットでもウルトラキャノン砲(36cm)より一回り大きいので、42cmというのは決定的な資料として考えて良いだろう。

ただ一方で…、別の気になる資料もある。


これは改造マッドサンダーのビッグサンダー。ゴジュラスキャノン砲を背負っているのだが、その解説を見ると

「38センチキャノン砲:ゴジュラスMK-IIと同じキャノン砲を装備、敵基地を粉砕する」

もしかすると、出力調整どころか口径そのものが縮んでいるのだろうか……?
「キットでは同じ金型が使いまわされた。だが実際のゴジュラスキャノンは限定型:42cm砲、量産型:38cm砲である」
だったのかもしれない。

もっと言うと、MK-II量産型は運用期間が非常に長い。
同じ兵器でも運用期間が長くなれば改良や変更がされるのは珍しくない。なので、
・量産型初期ロット:42cm砲の低初速版
・量産型後期ロット:38cm砲

だったのかもしれない。そんな風にも思った。

※限定型の時点から38cmというのはおそらくありえない。何故ならキットのゴジュラスキャノンはウルトラキャノン砲(36cm)よりかなり太いからだ。
 42cmというのはかなりシックリくる数値だと思う。38cmであるならあそこまで太くならず、微妙にだけ太くなった程度になるハズである。

威力的に言えば、
「36cmウルトラキャノン>42cmゴジュラス限定キャノン>42cmゴジュラスキャノン低初速版=38cmゴジュラスキャノン」
位だろうか。

38cmゴジュラスキャノンについて言うと、
・38cmに小口径化したが、そのぶん砲弾の初速を向上させて42cm低初速版と同程度の威力を確保した。
・砲弾が小さいので、初速を向上させたが反動は42cm低初速版と同程度である(つまり故障が少ない)。
・砲弾が小型化したので携行数が増えた。

威力は同じだが、携行弾数増により撃てる量が増え、有効性がUPした。

 
キャノン砲を考えたところで、話をデスザウラー戦に戻そう。

量産型のキャノン砲の威力は限定型より低めに調整されている。
対デスザウラー戦を考慮し「限定型の威力を維持せよ」という声もあったが、「故障率が高い=そもそも戦えない」ので、けっきょく低威力版は採用された。
MK-II量産型のキャノン砲は、確かに単発の威力は低くなった。だがアイアンコングを一撃で倒せる威力は維持している。
それでいて故障率が下がったのだから、現場からは高い評価を受けることになった。
ただ、対デスザウラー戦においては威力不足が深刻な問題となったのだが………。
しかしそれでも、デスザウラーに遭遇する数はアイアンコングに遭遇する数に比べれば圧倒的に少ない。
なので低威力のまま生産されていったのであった。

「こうして戦力比較表では「MK-II(限)なら2機」「MK-II(量)なら5機」でデスザウラーと戦えるという表記になったのであった」

私はこう想像した。

 

ただ、それにしてもまだ疑問はある。
限定型が量産型よりキャノン砲の威力において強い事は分かった。でも、本当に限定型2機でデスザウラーと戦えるのだろうか……?

ウルトラザウルスもゴジュラスMK-II限定型も、デスザウラーにダメージを与えるものといえばキャノン砲だけだろう。
長射程を活かして接近される前に全力で撃ちまくる。命中させまくって敵を撤退させれば勝ち。接近を許せばもはやなす術がないから負け。

ウルトラザウルス「1機」の評価になっている。
ウルトラザウルスは4門のキャノン砲を持つ。威力も最大だ。
分かりやすく言うと、「ゴジュラスMK-II限定型よりも威力の高いキャノン砲」を「2機分」持っている。
しかも、ビークルを持ち着弾観測機として飛ばせるので命中率も高いだろう。

要するに砲撃力は「ウルトラザウルス1機>ゴジュラスMK-II限定型2機」だ。

こう見ると、ゴジュラスMK-II限定型2機……、ウルトラ一機と門数こそ同じだが威力は下だし命中率もどうか……という火力で同じ判定になっているのはちょっと疑問だ。
「MK-II(限)なら4機」くらいでようやく互角じゃないだろうか。
量産型は5機のままで良いと思うが。

 

今回書いていて思ったのは、限定型はやはり強い。運用が限定型になったのも頷けるピーキーさだが、強さは確かであるということ。
しかし、その限定型をもってしてもデスザウラーはあまりにも大きな壁であるということ。
バトストの戦力比較表の「MK-II(量)なら5機」「MK-II(限)なら2機」は、限定型の方が強いという部分では正しい。だが「MK-II(限)なら2機」というのはちょっと言いすぎである。この部分からは、やはりゴジュラス神話を形成したい共和国軍の思惑が透けて見えるということだ。
戦力比較表は大まかには間違っていないが、やはり共和国軍が自軍と自国民にウケが言いように調整した部分もあるのだと思った。

ということでゴジュラスMK-IIを考えた。
今回は戦力比較表を考えたものだ。ここから、更に実際の部隊運用時における戦いも考えていきたい。

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