素早い動き、共和国軍のスーパーヒーロー

「ゴジュラスMK-II(量)でデスザウラーを何とかしろ」と言われたらそれは一見して不可能だが、それを求められたのが当時の共和国軍である。


ゾイド戦史を見返していて思うのは、デスザウラー無敵時代の共和国軍は本当によく耐えたなぁという事だ。
攻める時に強いというのはある意味当たり前の話。不利な時ににこそ底力が試される。
反撃された時にどれだけ持ちこたえられるか。相手の攻撃を上手くいなして再び攻勢に転じれるか。そういう事ができるのが優秀さなのだと思う。
共和国軍は本当に優秀だった。

「デスザウラー無敵時代、共和国軍は正面からの勝利を諦め中央山脈に進出した」というのは有名と思う。
共和国軍は見事に山岳で目標通りの戦果を挙げた。だがしかし、実は山岳以外の場所もかなり頑張っている。
下に支配域マップを示そう。

山岳以外の場所も、ディバイソン就役(反撃本格化)まで見事に持ちこたえている。
持ち堪えてるというか、ある程度だが支配域を回復している。
デスザウラーを擁する帝国部隊から領土を防衛し、時に少し進撃さえした。その方法はいかなるものだったのか。

 

帝国軍。山岳ではまぁ不利だったと思う。シールドライガーはサーベルタイガーを上回る。
共和国軍は小~中型ゾイドも充実でも上回る。だから帝国軍が劣勢だったのは仕方あるまい。
だが平地……、要するにデスザウラーが行動できる場所なら帝国軍が圧倒的優勢だったと思える。

それなのに何故、帝国軍は苦戦したのだろう?
戦略的価値が乏しい地域だから積極的に攻めなかった? 延びきった戦線を縮小するためにあえて支配域を狭めた?
これは違う。
たとえば「アーサー市」という場所はマッドサンダー開発が行われた。少なくとも大規模開発を行える程度の場所である。
要所はある。こうした場所を陥落させておけばマッドサンダー開発は阻止できただろう。

山岳戦にはデスザウラーを投入できない。投入しても効果が薄い。
かといって遊ばせておくのは勿体ない。使えるところで使うハズ。それは十分に行動できる地帯で運用することだ。
私は、

支配域マップはこうなっていてもおかしくないと思う。
むしろ何故そうならなかったのか。
というと、共和国軍が死に物狂いで戦い防衛を成功させたのだろう。

 

「デスザウラーがその能力を十分に発揮できる地帯においてこれを押さえ込んだ」
山岳戦と違ってあまり注目されない場所だが、ここにおける部隊は本当によく頑張ったと思う。
これを今回は想像したい。

 

このテーマを考えた時、私は共和国軍の中心メカはゴジュラスMK-II(量)だと思った。
そして今まで活躍シーンに恵まれずやられメカの代表格だと思っていた同機を、いやいや最高の名機だと、共和国軍のスーパーヒーローだと思うようになった。

山岳以外の場所。ここでの共和国部隊の中心はゴジュラスMK-II(量)だったと思う。
なぜかというと、まずシールドライガーは山岳へ大多数が移動している。
ウルトラザウルスも海上に多くがあったんじゃないかと思う。
ディバイソンはまだ就役していない。
必然的にゴジュラスMK-II(量)になるわけだ。

ゴジュラスMK-II(量)はいかにしてデスザウラーに対抗したのだろう。
これはやはりキャノン砲だと思う。
ゴジュラスキャノン砲はデスザウラーにそんなにダメージを与えるわけじゃない……むしろ当たっても気にせず戦い続けるような印象が強いと思う。
いやしかし、そうはいっても100発当たればさすがに倒せるだろう。
全く効いていないわけじゃなくて、わずかだが効く威力だと思う。

 

ここでちょっと戦艦大和の話をする。
大和は「不沈艦」と呼ばれた艦だ。これが偽りである事は史実を見れば明らか。大和は魚雷10発、爆弾8発程度を受けて沈んだ

だが不沈艦という言葉を「正しい」とする事もできる。
大和は「魚雷一発を受けても問題なく戦闘を継続し」「二発受けてもわずかに能力を落とす程度で問題なく戦闘を継続し」「三発受けたら戦線からいったん引いて修理する」という思想で設計されている。
このように「適切な運用をすれば大和は不沈艦である」と言えるわけである。

話をゾイドに戻す。
デスザウラーの装甲も非常に強固ではあるが完璧ではない。
開発に際してこのような取り決めがあったんじゃないかと思った。

「ウルトラキャノン砲を4,5発受けても問題なく戦闘を継続できる」「10発ほど受けたら後退して修理する」ような。
ゴジュラスキャノン砲だと威力が劣るから数は大幅に増すと思う。しかし、いずれにしろ敵がこちらに達する前に当てまくれば撤退に追い込むことは不可能ではないわけだ。

当時の共和国軍は、とにかくゴジュラスMK-II(量)をかき集めて、その横に砲弾運搬用のグスタフ(砲弾装填用クレーン付き)も随伴させて、それでもってデスザウラーを迎え撃ったのではないだろうか。
バトストでは2機のゴジュラスMK-II(量)がデスザウラーに挑んで大敗北した回があった。が、あれは2機だったからだ。

仮に10機いればどうか。ゴジュラスMK-II(量)はそれを実現する程度に量産されている。
合計20門のキャノン砲で、しかも砲弾運搬用のグスタフが居るから残弾を気にせず撃ちまくれる。

また、ゴルヘックスの就役はデスザウラーよりわずかに遅い位だった。
つまりゴジュラスMK-II(量)がデスザウラーを迎え撃つ際には目の役割になってもらうことができる。
これにて命中率もかなり期待できよう。

このようにして、共和国軍は死に物狂いで戦い防衛に成功したのだと思った。

 

帝国軍はまた、敵地で戦っているからデスザウラーをはじめゾイドには十分な整備が受けさせにくい状況だったと思う。
むろん整備はするが、本土のような使い慣れた充実した設備とは段違い。しょせんは前線の施設で行える整備には限界がある。
だから運用時は「万全ではない」ことを前提として、少し早めの段階でも後退させる決断をしていたのかもしれない。
そんな風にも思った。

ということで、今回は頑張っているゴジュラスMK-II(量)を考えてみた。
そういうシーンが描かれなかったのは残念だが、そうして戦っていたのは確かだろう。
やっぱり、何だかんだでゴジュラスには底力があると思う。

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