Zevleのこと

『生体バトルビークルゼブル-ZEVLE - 』

非常にマイナーなシリーズです。ご存知の方はどれ位おられるでしょうか。そしてその中で、リアルタイムから知っていた方はどれ位でしょうか。
とりあえず、非常に少ないという事だけは確実でしょう。

私がゼブルを知ったのはネットを始めてからでした。
とあるゾイドファンサイトに載っていた情報を見て、初めてその存在を知りました。

 

ゼブルは「ゾイド24シリーズ」の焼き直しシリーズです。
1992年11月に、デスピオン、ゴーレム、ロードスキッパー、ドントレス、バトルローバー、ネプチューンの6機が、それぞれ名を変えて発売されました。

<当時の広告より>

名称はザーガム、ゴルゴラ、ゼーヴァθ、ギギーマ、ランドギャロップ、ボライドとなっています。
何故だかメガトプロスはラインナップに入っていません。

 

メカ生体ゾイドは1983年~1991年3月まで、実に8年間の長期にわたって続いた大シリーズです。
展開は年を追うごとに大きくなり、トミーを代表する大看板へと成長しました。

なんだかんだ言ってもトミーはゾイドが大好き“らしい”。
“らしい”と言うのは中の人ではないから実際のところはよく分からないという為ですが、そう言及される理由はなかなか納得できるものです。
トミーの大ヒット商品といえば「黒ひげ危機一髪」「プラレール」「トミカ」「ポケモン関連」そして「ゾイド」でしょうか。
この中でトミー独自のデザインは、黒ひげ危機一髪とゾイドしかありません。
そして黒ひげ危機一髪はあくまで単体の商品。
そういうわけでシリーズとしてのオリジナル大ヒット商品はゾイドだけになってしまう。
だからこそトミーのゾイド愛は非常に深いとの事“らしい”のです。タカラトミーとなった以降の事はよく分かりませんが……。

そんなゾイドだから、1991年以降にトミーはゾイドを復活させる時期を常に狙っていたらしい。
それは1999年にアニメを引っさげて実現しましたが、小規模なものであればそれ以前にも何度か復活しています。

その中の一つが、このZEVLEシリーズです。

Zevleは1992年末から1993年初頭にかけて展開したシリーズで、24ゾイドを復活させたものです。
最初に言っておくとあまり売れなかった。あまりというか全然ダメだった。その為、あっという間に展開終了しています。
おかげで現在のプレミアはかなり凄い事になっていて、特にザーガム(デスピオン)とゴルゴラ(ゴーレム)は抜きん出ています。

名称に「ゾイド」を冠していないのは、24ゾイドのみの復活だったからでしょう。
ただ「ZEVLE-ゼブル-」というのは、「ZOIDS」のそれに近いイメージです。
ZOIDSは「Zoic Androids」の略ですが、ZEVLEは「Zoic Battle Vehicle」の略語になっています。

メカ生体ゾイド終了後、2年足らずで復活に至ったのは早いと思います。が、24ゾイドのみを復活させた事には何かの意図をも感じます。

 

24ゾイドは今でこそ肯定意見も多くみます。しかしメカ生体ゾイド当時は否定的意見の方が多数でした。
デスピオンとロードスキッパーがかろうじてマシな評価を得ていたものの、それ以外はほぼ「否」という具合。
特に共和国24は批判が多くをしめました。
売れ行きも、メカ生体ゾイド絶頂期にリリースされただけの事はあり「そこそこ」ではあったようですが、通常ゾイドと比べると必ずしも好調ではなかったようです。

しかしトミーの24ゾイドへかける熱は非常に高いものでした。
帝国側24ゾイドのデザインは、造形やデザインで名高い横山宏氏に依頼されています。
共和国24ゾイドも、クリアー装甲を大胆に採用した造形は21世紀の目で見ても美しく魅力的です。

雑誌などの広告も精力的に行われています。
おそらくトミー側としては、そのデザインには「もっと売れたはず」という自信があったのではないでしょうか。

24ゾイドは「通常スケール機と一緒に遊べない」から不振だったとも言われます。
だからこそ、24ゾイドのみで構成したシリーズに挑戦したかったのではないでしょうか。

 

ゼブルはストーリーを持ちますが、ゾイドとの関連性はなく、全く新しいストーリーとして設定されています。
ただ「生体バトルビークル」という名前が示すように、ゾイドと同じく「戦闘機械獣で戦う」というものになっています。また宇宙時代を背景にしている部分も共通します。
明記されているストーリーは二種類あり、商品同梱チラシに記載されているものと、キット箱に記載されているものの二種類があります。

-商品同梱チラシ版-
惑星メルダ、この星は今でこそ大陸と海洋で覆われているが、もともとは機械部分が露出した機械惑星であった。
そしてここメルダドームシティは、かつて宇宙嵐に遭遇した地球人類・宇宙移民団の一部が惑星メルダに漂着、彼らにより築かれた地球人類の新しい都市であった。

メルダ星暦0251年、突然メルダ警備軍戦艦が未確認物体の攻撃を受けた。
メルダが機械惑星であった頃、ある回遊惑星の超接近によってメルダに大地震や洪水などの大異変が発生、その時メルダを脱出した機械人類ゼーヴァ族がかつての母星メルダに戻って来たのだ。

メルダドームシティはゼーヴァ星団帝国軍の将軍ザーガム率いる生体バトルビークル<ゼブル>軍団の攻撃をうけ破壊されつつあった。
ゼーヴァ軍の猛攻の中、メルダ警備軍の若き勇士リョウは攻撃を受け流砂の中へと落ちていった。
そこはかつてゼーヴァ族と闘っていた機械人類シド族の地下都市であった。そこでリョウはシド族の唯一の生き残りである長老ジルに出会った。
そして惑星メルダの歴史と機械生物を戦闘用に改造した生体バトルビークル<ゼブル>の存在を知った。

再び惑星メルダでは、メルダ警備軍とゼーヴァ星団帝国軍のゼブルどうしの激突、人類と機械人類の戦いが始まったのであった。

■生体バトルビークル「ゼブル」
機会人類たちは機会惑星メルダに生存する機械生物を戦闘用の兵器としに改造し戦いを繰り返していた。
そして改造さえた機械生物たちはゼブルと呼ばれていた。

----------

-キット箱版-
地球から遠く離れた果てしない宇宙、ここ惑星メルダにおいて、メルダ警備軍とザーガム将軍率いるゼーヴァ星団帝国軍の決戦の火ぶたが切って落とされた。
彼らは、惑星メルダに生存する機会生物を戦闘用に改造、生体バトルビークル”ゼブル”として使用していた。
メルダ警備軍の若き勇士リョウは、高速型ゼブルを駆って、圧倒的な物量で迫り来るゼーヴァ星団帝国軍に対し、熾烈な戦いを挑んでいった。
惑星メルダでの勝敗のゆくえは、まさに勇気ある彼らの双肩にかかっていたのである。

■惑星メルダ
この星はもともと表面すべてを機械に覆われた機械惑星であり生存するものすべてが機械であった。
そして機械生物の中から進化してきた機械人類達はシド族とゼーヴァ族という二大勢力に別れゼブルを生み出し戦闘を繰り返していた。
だが回遊惑星ヴォルデの超接近により大異変が発生、機械文明は滅びた。その後、宇宙を漂流した地球人類が漂着する。

 

ゼブルが短命に終わった為、後のストーリーが不明なまま終わってしまったのは大きく悔やまれます。
おそらく、この後にメガトプロスを投入してメルダ警備軍の反撃ストーリーへ繋げる予定だったのだと思われますが……。

読み解くと、ストーリーは明確にメルダ警備軍(地球人)側の視点で描かれています。
視点を変えれば、地球人は惑星メルダに住民が居ないのをいい事に植民星にしている状態と言えます。
敵側のゼーヴァ族こそ本来の惑星メルダ住人であるというのは、何とも言えない構図になってしまった気がします。
設定自体は良いと思うので、是非、中立の立場から物語を描くべきだったでしょう。そしてその先の展開は、徐々に和解に向かわせていけば良い物語になったと思います。

 

チラシの方をもう少し詳しく紹介します。

<商品同梱チラシより>

宇宙戦艦が映っているのがいかにもSFです。おそらくストーリーの冒頭で攻撃を受けているのがこの艦だと思われます。

 

チラシでは主人公以外のキャラクターも設定されています。

<商品同梱チラシより>

キャラクターを担当したのは、電動玩具業界において名高い、はぬま あん氏。
ゼーヴァ星団側は、惑星メルダ脱出の後にある星を侵略し配下に収めたという設定も載っています。
これを読むと、やはり悪側の印象が強いです。
しかし彼らにしてもいつまでも宇宙船で過ごすわけにはいかなかっただろうから、その事情は推して知るべしな気もします。

 

イラストもなかなか味わい深い出来です。

<商品同梱チラシより>

個人的にはランドギャロップ(バトルローバー)に口があるのが気になります。設定上そうなっているのでしょうか?

 

メガトプロスの再販は計画されていたそうです。それどころか新型24ゾイド(新型ゼブルと言うべきか)まで計画されていたそうです。
ただ販売不振によりシリーズが短命に終わった為、それは叶わなかったのですが……。
メガトプロスや幻の新型機をからめつつ、ストーリーを完結させて欲しかった所です。
もし新型のデザインがあるなら、せめて絵だけでも公開してストーリーを完結させて欲しいものです。

 

キットとしてゾイドとの違う所として、色が変更されています。

メルダ警備軍(共和国)側の色変更は衝撃的です。良く言えばミリタリーな色合いですが、率直に言って全く似合っていないと思います。
このカラーにするにはデザインがSF過ぎると思います。ユーザーの反応も24ゾイド版の方が良いというのが多数のようです。

一方、ゼーヴァ星団(帝国)側の色変更はおおむね好評をもって迎えられています。
奇抜さはメルダ警備軍に比べて低い……というか、至極まっとうな発想で選んだ良い色という感じがします。
赤い装甲、緑色のクリアパーツという事で、メカ生体ゾイドの帝国皇帝親衛隊カラーを思わせる所もニクい選択です。

余談ですが、

デスピオンの箱裏に載っているカラーに酷似しています。
Zevleのキットではあるものの、メカ生体ゾイド世界の機体として脳内補完しても良いでしょう。

 

もう少し余談を続けます。24ゾイドの色の事を書きます。
共和国側24ゾイドについては、当時「いくらなんでもSF過ぎる。ゾイドはミリタリーなカラーがいいのに!」という批判がありました。

帝国側24ゾイドは、デザイナーから「装甲は白」という絶対条件がありました。
トミー側は別の色にしたかったそうですが、「白にしないなら発売しないでもいい」とまで言われて今のカラーになったとの事です。

Zevleのカラーは、そういった背景を絡めて考えても面白いと思います。
つまり共和国側はSFさを省きミリタリー調のカラーに。帝国側は本来トミーがやりたかったカラーで……というような。

 

色意外に変化はないのか。組み立てる工程や完成後に動くという点は同じです。

ただ唯一、変更された仕様があります。それは付属するパイロットフィギュアです。
24ゾイドのパイロットフィギュアは、「組み立て済み」「塗装済み」で封入されていました。
しかしZevleでは「ランナーにパーツが付いた状態で」「未塗装」で入っています。ユーザーは自身の手で組み立て、必要に応じて塗装する必要があります。

成型色はメルダ警備軍側はグレー、ゼーヴァ星団側は乳白色をしています。
「必要に応じて塗装する必要がある」なんて書きましたが、スケールが1/24で大きいので、塗らないと見栄えはかなり悪いです。

実質的に塗装は必須と言って良いでしょう。こう書くとZevleのフィギュアは不親切だと思います。
ただその代わりに、全てのキットにフィギュアが2体ずつ付属しています。

ゾイド時は、そのゾイドが1人乗りでも2人乗りでも「フィギュアは一つだけ」でした。
Zevleは1人乗りでも2人乗りでも「フィギュアは2つ」付いています。
だから例えば、

こういったシーンを再現しようと思うと、ゾイドでは最低でもキットを二つ買う必要がありました。Zevleでは一つのキットで再現できます。
またフィギュア用武器としてライトサーベルが付属しています。
塗装済みだが1体しか付属しないゾイド。未塗装だが2体+専用武器が付くZevle。どちらが良いかは意見が分かれるところでしょう。

金型は同じです。
ただゾイド版は各機毎に専用のフィギュアがありました。
バトルローバー兵士とネプチューン兵士は造形が違っていました。しかしゼブルでは、「メルダ警備軍」「ゼーヴァ星団側」という2種類しか無くなりました。
メルダ警備軍側の機体はバトルローバーのフィギュアが。ゼーヴァ星団側の機体はロードスキッパーの兵士が各2体付属しています。

コスト減のためでしょうか。ただ、これにより一つ問題も生まれています。
それはネプチューンの兵士です。

ネプチューン兵士は酸素ボンベを背負っています。ボンベは機体のランナーに付いています。
そして口元にはタンクに繋がるチューブなどが造形されています。これにより水中戦を想定した兵士になっています。
しかしZevleのボライド(ネプチューン)兵士は、バトルローバー兵士を流用したせいで「ボンベは背負っているが口元には何も無い」という状態になってしまっています。

かといってネプチューン兵士を標準にすれば良かったというわけでもないでしょう。
そうすると逆に、ランドギャロップ(バトルローバー)兵士の口元がおかしくなってしまうから。
まぁ、細かい点で目を潰れないでもないとは思いますが……。

 

キット的な変更点は以上2点、色と付属フィギュアです。
ここからは、その他の部分も見ていきましょう。

箱。箱は大きく違います。
模型のような「かぶせる箱」タイプが採用されており、ゾイドとは異をなします。また写真でなく絵が使用されている事も大きな違いです。

かぶせる箱になっているので、ゾイドと違って裏面が味気ないものです。
その代わりに側面が充実しており、ストーリーや機体バリエーションが掲載されています。

ただ幾つかツッコミたい。詳細データがあるようですが、最高速度や重量のデータが無いのは惜しいです。
また、こうしたイラストは改造を推奨したものでしょう。しかしクリアパーツの色をどうやって変えろというのでしょう……。
Zevleのメルダ警備軍側のクリアパーツの色は茶色。どう頑張ってもこのイラストのような水色や緑にはできません。
色々やっているのは良いけども、かなり中途半端になっている気もします。

 

ボックスアートは素晴らしいクオリティーです。
担当されたのは、共に巨匠の高荷義之氏と上田信氏。箱の為に買う価値があるのでは? と言える程素晴らしいものになっています。

一覧

ザーガム(デスピオン)、ゴーレム(ゴルゴラ)とロードスキッパー(ゼーヴァθ)が高荷義之氏で、その他が上田信氏の作画。
どれも素晴らしい。そしてメガトプロスが無いのが改めて悔やまれます……。

 

付属デカールはシールではなく水転写式です。レイアウトでは紋章系が特に充実しています。

デカールは各機毎ではなく陣営単位で共通になっています。
図案はゾイドにも流用できそうな感じがします。

 

説明書にも少し差があります。

先に書いた通りフィギュアが組み立て式になったので、説明書にもその工程が加えられました。
全機種とも、フィギュアの組み立ては最初の工程として指示されています。
真っ先にフィギュアから組ませているのは面白いと思います。パイロットあってこそ機体が生きるという事でしょうか。

印刷が一色刷りなのも特徴です。ゾイドは2色刷りが基本でした。

もちろん分かりやすいのは2色刷りです。
ただZevleは箱の構成からも分かる通り、少し「玩具」というより「模型」に近いイメージで構成されています。
一色刷りへの変更はそれゆえと考えっるのが正しいでしょう。

 

ゾイドとZevleの差を色々と見てきました。もう少しだけ探します。
それは販売戦略での差です。

ゾイドは小学生をメインターゲットとして、主に学年誌やコロコロで展開しました。
Zevleは学年誌やコロコロには一切載っていません。というか……、雑誌などでの宣伝活動はほとんど確認できません。

ただ模型雑誌「ホビージャパン」の1992年10月~12月号に、3ヶ月連続で広告が掲載されています。

<ホビージャパン 1992年10月号より>

レイアウトは全ての号で同じ(厳密に言うと下部が「11月発売」から「発売中」に変わった程度の差はある)です。

見ての通り、キットに封入されているチラシとほぼ同じレイアウトです。良く言えば統一されていますが、悪く言えば同じのばかりで飽きます。
Zevleは素晴らしいボックスアートが揃っています。
せっかく3ヶ月連続で広告を出すのなら、上部をザーガム(デスピオン)以外の機体に差し替えたりするとかの工夫が欲しかったと思います。
それ程の手間ではないと思うのですが……。

広告以外では、ホビージャパンの増刊号の「ホビージャパンEX」が、一度だけZevleを特集した事があります。

<ホビージャパン 1992年秋号より>

これは「電動ロボ特集」という事で、同時期に展開していたZナイトらと共にZevleも紹介されています。
「本誌では今後もゼブルシリーズに注目していく」と書いてありましたが、それは叶いませんでした。
何故ならホビージャパンEXは季刊誌。次の号が出る頃には既に打ち切られ全ての展開を終了。あるのは店頭在庫のみという状況だったからです……。

この他、ゲーム雑誌のオマケページで紹介された事もありました。
ゲーム以外にも流行り物や玩具を紹介しようという小コーナーです。

確認できたのはこの程度で、正直かなり少ない。しかし情報を読み解く事はできます。
つまり、
・ゾイドは学年誌やコロコロを主戦場としていた=小学生がメインターゲットである

・Zevleは、模型誌やゲーム雑誌に広告を出していた=中高生がメインターゲットだった

と言えるでしょう。

「かぶせる箱」「フィギュアは塗装推奨」「水転写でカール」「ボックスアート」「説明書は白黒刷り」
これら全ての要素がゾイドよりハイターゲットを意識しています。中高生がメインターゲットだったのは確実だと思います。

しかし残念ながらヒットしなかった。正直、成功したとは一切言えません。
新型の開発など意欲的な予定がありながら、早々に打ち切られた事からも言い訳ができません。
個人的に、この不振は広告展開に原因があったような気がします。

残念ながら当時は、「動くキット」の評価は今より低いものでした。
もっと率直に言うと偏見といっていいレベルでした。模型ファンからすれば「動くのって玩具でしょ?」と言われる程度の扱いであったのは否めません。
だからせっかく模型誌で広告を出したものの、結局動く事が足かせとなり、正当な評価を得られないまま不振になってしまった側面もあると思います。
受けたとすれば、やはりゾイドと同じ小学生だったのではないでしょうか。
しかし学年誌やコロコロでは一切告知がありませんでした。私がリアルタイムで知らなかった原因もここにあると思います。

学年誌など小学生をターゲットにした展開を行って、一定の販売数を確保しておけば良かったと思います。
もちろん、大人の中にも「玩具でしょ」ではなく、良いものは良いとして絶賛する者も少なからず居ました。
そして彼らは、どこで展開していようが問題なく追いかける情熱を持っていました。
だから余計に、学年誌などで展開しておいた方が良かったのではないかと思ってしまいます。

 

もう一つ加えると、「ゾイド終了の2年後に始まったZevle」が「小学生ではなく中高生をメインターゲットにした」という点にも疑問を感じます。
というのは、ゾイド終了から2年すればゾイドで育った世代のいくらかは中学生になっています。その中学生にとってZevleはどう写ったでしょう。
多分、全く新しい新鮮なシリーズではなく「ゾイドまだやってたんだ」になってしまったのではないでしょうか。

とにかく、色んな要素が悪い方に複雑にからみあった広告展開だったように思えます。

 

魅力的な要素は数多くあったと思います。
ボックスアートや部隊章、なによりモノ自体はデザインもキット的にも素晴らしいものです。メルダ警備軍側の色はともかく……。
せめてメガトプロスを再販するところまで頑張って欲しかった所ではあるのですが……。

 

私はやっぱりゾイド24は大好きで、いつかまたチャレンジして欲しいと強く思っています。
Zevleはマイナーながら、色んな教訓を残したと思います。
これを教訓に、いつか24ゾイドが強く花開き、そしてその先に新型もあればいいなと思っています。

Back
index

inserted by FC2 system