ゴジュラスの旋回砲

前回のコラム(旋回砲の事)で、旋回式の砲についての考えを書いた。
「ゾイドは基本的に前方に向けた固定式の砲を持つが、真っ先に敵陣に突撃するレッドホーンやマッドサンダーのようなタイプは旋回砲が装備される」というものだ。
そういえば、一つ重要な機体を忘れていた。
それはゴジュラス。

本機もまた、初期においては真っ先に敵陣に突っ込む突撃機的な運用をされたと思う。
後方からの支援はゴルドス。
105mm高速キャノン砲の支援を受けながら突撃するゴジュラス。そんな姿を想像すると何とも勇ましい。

さてゴジュラスは旋回式の砲はない。だが、これは腕や尾に付いた砲がその役割をすると思った。
腕は好きな方向に向ける事ができるし、尾もフレキシブルに動く。
これによりあらゆる方向を撃てるのではないか。

二足歩行機は腕がフリーだ。だからそのように使う事ができる。
しかもこの事は「直立」タイプ位の方がより適していると思う。
ジェノザウラーのような前傾タイプは、腕を大きく動かすと体の重心が狂いやすい。
移動時は特に腕を自由に動かせないだろう。
対して、二足歩行機は腕を自由に(人のように)動かしながらでも移動できると思う。

更に、高い位置にある事も見逃せない。
高所から撃つ方が狙いやすい。使い勝手が良さそうだ。

そんなわけで、ゴジュラスの腕は優秀な旋回砲的な運用ができる。尾も同じく旋回砲的な運用ができる。
今ひとつ破壊力に欠ける小型砲だが、そうはいっても開発時期の帝国ゾイド程度なら撃ち抜けるだろう。
マーダやモルガには十分な威力だ。
マルダー以降の重装甲SP級になるとチト厳しそうでもあるが、まぁこれは時代の流れだろう。

後に登場した改良タイプ、ゴジュラスMK-IIは四連速射砲を持つ。
  

これは腕に付いていて、好きな方向に撃つ事ができる。
口径はそれなりにあるし、速射砲という位だから猛烈な勢いで発射するだろう。
この砲ならブラックライモスなどの中型ゾイドでも破壊できそうだ。
四連速射砲は、ゴジュラスの腕の砲…全周囲に撃つ目的がある を時代相応に強化したものと言えるかもしれない。

 

余談。
実は、昔は四連速射砲が好きじゃなかった。子供の頃、ゴジュラスMK-量産型を買ってもらった時をよく覚えている。
武器のデザインが嫌いなわけじゃない。ただ当時の私は、ゴジュラスの爪のデザインがとても好きだった。
だから四連速射砲でせっかくのカッコいい爪が見えなくなるのが不満だった。そんなわけで外して飾る事が多かったのであった。
ただ今になって役割を考えると、なかなか面白い装備だなと認識が変わってきた。

一方、昔は気にしていなかったが今は気になる疑問もあったりする。
それは四連速射砲の砲弾はどこに収められているかという事だ。

速射砲だから猛烈な勢いで砲弾を消費するだろう。
それなりに口径があるので砲弾も多くのスペースを喰う筈。
それが見当たらないのがちょっと疑問だ。ビーム砲ではなく実弾砲だと思うのだが…。

あと、上下の二門と真ん中の二門の形状が微妙に違う。これが何を意味しているかもよく分からない。
まぁ、こうした疑問はおいおい解釈していければ良いかなと思う。
昔は好きじゃなかった四連速射砲だが、今になってアプローチするととても面白い。

 

もう一つ余談。
四連速射砲といえば、ファミコンゾイド2-ゼネバスの逆襲-も思いだす。

本作において、四連速射砲は間違いなく最強の武器であった(※1)
とにかく猛烈に速射できて気持ちよく敵を破壊できた。
このゲームの砲はおおまかに二種類あって、タイプ1は通常攻撃用でビーム砲とかバルカン砲とか速射砲。四連速射砲もこれに分類される。
タイプ2はキャノン砲。単発での破壊力は絶大だが連射ができないので命中させるのが難しい。実質的にいえば補助装備の域を出ない感覚だった。

四連速射砲はゴジュラス専用装備だった。他のゾイドに積む事はできない。
本作の四連速射砲は他の武器の4倍もの弾を一気に撃ち込む事ができる。この爽快感は凄まじい。
これを持つゴジュラスは、マッドサンダーやウルトラザウルスをも超える攻撃の要として最後まで運用する事ができた。

マッドサンダーといえば、本作ではマグネーザーも反荷電粒子シールドも装備していない。
攻撃は「砲」でしか行えないので、格闘用武器は一切登場しないのだ…。防御に関しても、特定のがダメージを半減するような措置はない。
マッドサンダーは、本作では伝説のゾイド的な扱いで登場した。ただ性能は体力値が全ゾイド中で最大というだけで、その他は特にどうという事はなかった。
海上マップを移動できるウルトラザウルス、四連速射砲が使えるゴジュラス、カーゴを付ければ味方部隊を空輸できるサラマンダー。
この辺りに比べてちょっと地味だった。まぁ、マッドサンダーが登場するというだけで大興奮のゲームでもあったが…。

話が逸れすぎたので修正。
そんなわけで、本作では戦闘時に活躍するのは最後までゴジュラスだった。

本作は序盤でアロザウラーに乗っている頃、村人の爺様が「ゾイドと言えばゴジュラスですぞ」と言ってくる。
その後、ゴジュラスを入手し戦力の中核としてストーリーを進める。
して終盤。 同じグラフィックの爺様が再度登場し「お前さんまだゴジュラスに乗ってるのか。それじゃ勝てんぞ」とアツい手のひら返しの言葉を言ってきやがる。
うるさいわっ! と思いながらゲームを進める事は必至。まぁ当時のバトストっぽい感じでもあるのだが。
だがこのゲームではウルトラザウルスやマッドサンダーより四連速射砲を装備したゴジュラスが圧倒的に強かったのであった。

※1
より正確に言うと、四連速射砲の強化型装備「四連ビーム砲」も登場する。これが真の最強装備。これもまたゴジュラス専用装備だった。
使い勝手は四連速射砲と同じだが、攻撃力がアップしている。これがあればもはや他の武器は不要。デスザウラーをも圧倒できる。

 

今回はちょっと話が脱線しすぎた…が、そんなわけで旋回砲にからめてゴジュラスを少し深彫りして考えてみた。
腕や尾に付いた砲を考えてみるのも面白いと思う。

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