ゾイドの重さを考える

レッドホーンは動く要塞とも呼ばれる重戦闘ゾイドだ。
だがしばし、動く要塞にしては軽いと指摘される。
重量は94t。

さて、比較対象として挙げられるのはシールドライガーだ。
こちらは92tの重量。

高速機と重量級機の差がわずかに2t。これはどうなのだろう…というのが軽さを指摘される大きな要因だ。
レッドホーンはなぜ軽いのか。今回はこれを考えてみたい。

 

まず前提として。
そもそもで言うとゾイドは驚異的に軽い。

上の比較を見れば明らかだろう。
同程度の重さなのに大きさがこんなにも違う。ゾイドの驚異的な軽さが分かる。
ちなみに、マウスは地球で言えばとんでもなく巨大な戦車で超重戦車とも呼ばれている。

おそらく、ゾイドはマグネッサーシステムで常時「体を持ち上げる」ような効果が出ているのだと思う。それゆえにこの重量なのだろう。
レッドホーンはそのシステムが強めになっているのかもしれない。

いやしかし、それで終わらせたら面白くないので別の角度から考える。

 

私はこの問題について、レッドホーンは確かにやや軽いとは思う。ただ、むしろ「シールドライガーが重い」のだと思った。
シールドライガーは92t。これはサーベルタイガー78tから14tも重い。

「14t」というのをもう少し分かりやすく示そう。
ゴジュラスは230t、ゴジュラスMK-II量産型は265t。差は35t。
ゴジュラスMK-II量産型の増加装備はキャノン砲2門と四連速射砲。四連速射砲を仮に1tとして差し引こう。残りは34t。
とすると、キャノン砲1門あたりの重量は17tと計算でる。

シールドライガーの重量は、サーベルタイガーにゴジュラスキャノン1門に匹敵する重量を上乗せしたものなのだ。
いかに重いかが分かろう。それでいて250km/hをたたき出すのだから凄い。冷却用ラジエーターやハイパーチャージャーで無理やりに出していると思われる。

さて、なんで重たくなったのかというと、これは簡単。
「敵軍のゾイドをコピー改良したから」
だ。

コピーなんて簡単に思えるかもしれない。だがそれは大きな誤りだ。
今まで自軍にない要素を解析するのだから、極めて大変な作業になる。
その分野において自軍の技術は現在劣っているのだ。だから「あまり洗練されているとはいい難い」中でに挑む事になる。
結果として多少不恰好になる…例えば余計な重量が増えるのは仕方のない事だ。

地球で起こった分かりやすい例を出そう。
かつてB-29がソ連領土内に不時着した事があった。無傷のB-29を手に入れたソ連は、完全なコピー機を製作しようと奮闘した。
当時のソ連と言えば、命令に背けば即座に「粛清」さてしまう恐怖の時代だ。技術者は文字通りの死に物狂いでコピーに挑んだ。
だが幾つかの要素はコピーに失敗し、重量も500kgほど増えた。結果として、B-29に近い性能だが若干性能の劣る仕上がりになってしまった。
(この航空機はTu-4という。興味深いエピソードなので詳しくはwikipedia等を参照すると良いと思う)

 共和国軍も、幾つかの要素でコピーに失敗したのだろう。その時点では幾らか性能の劣る仕上がりであった。
だが軍からの要求はサーベルタイガーを超える事、これは必達だった。
だからコピーに失敗した部分を補うべく、自軍独自の装備を増設したのだろう。その結果が14tもの増加だったと思う。

 

鹵獲機は重い事が多い。ライガーゼロも鹵獲機だ。
素体は75t、タイプゼロ装備は85tと「こんなもんかな」位の数値だ。

だがイェーガーは132t、シュナイダーは135t、パンツァーは145t。一気に重量が増える。
イェーガーユニットは57t、シュナイダーユニットは60t、パンツァーユニットは70t。
いくらなんでも重過ぎる気がする。

本家帝国軍が開発したライガーゼロイクスは115t。イクスユニットは40tと計算できる。
まぁこちらもなかなかの重量ではある…が、あれだけの装備を持ちながら高速用のイェーガーより17tも軽く済んでいるのはさすがと思える。

やはり、元々ライガーゼロは帝国軍が開発したゾイドだ。だから最適化した装備を作れたのだろう。
逆に、共和国軍は技術解析が完璧でない中で「無理やりに」装備を開発したのだろう。
重量の差はそれをよく現している。

ダブルソーダはサイカーチスのコピー改良機だろうか?

キットから考えると大部分のパーツが共通している。シールドライガーと同様のコピー改良機機と考えて良いと思う。
ダブルソーダは19.7t、サイカーチスは17.4t。やはり重くなっている。

ただ唯一の例外として、ゴドスは23t、イグアンは23.6tでありあまり差がない。

わずかに増えているが、この程度は誤差レベルと思う。
これは、さすが帝国の驚異的な技術という事だろうか。

全体的に、共和国軍がコピーしたら重くなる。それを補うべく強力な装備を増設して「無理やり」スペックを上げる感じがする。強引だ。
対して帝国軍はスマートにコピー改良する、まさに技術な感じがする。
そんな傾向も見えてくる。

レッドホーンの重量から、重量をこのように考えてみた。

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