ナノマシンとゾイド

ゾイドは地球のメカと比べて特殊な要素が多い。
そんな謎を考えていきたい。

今回は、
「ゾイドの自己治癒能力」「オーガノイドシステム」「エヴォルト」
について。
思いついた仮説を元に、この三つを同時に考る。

…この中で、エヴォルトはアニメ「ゾイドジェネシス」特有の要素かもしれない。
異なる世界観を混ぜると時にカオスになる。だが今回はあえて、ある程度はバトストとアニメを併用しつつ考えてみたい。

 

ゾイドは自己治癒能力がある。これは有名だと思う。
ゴジュラス・ジ・オーガがアイアンコングPKから受けたダメージを一瞬で修復したシーンは印象深く覚えている方も多いと思う。

完全野生体のライガーゼロも回復力が高い。
自己治癒能力は機獣新世紀ゾイドから目立って描写されるようになった。
ただメカ生体ゾイドの時代にも、ハイドッカーが再生力が高い機体と設定されていた。
ゾイドに自己治癒能力がある事は最初期からの設定だった。

自己治癒に付いて少し踏み込んで考えよう。
この能力は、いかにも「生きたメカ」であるゾイドらしいなあと思う。
またゾイドが強い理由の一つでもあろう。
命中弾を与えてダメージを負わせても時間と共に再生してしまう。

そんなの地球の兵器基準で考えたら反則だ。
もちろん、無限にできるわけではなく「コアの持つエネルギーが尽きればそれ以上の治癒は不可能」という制約はあろうが。

また他にも制約があると思う。
ゾイドの自己治癒は及ぶ部分と及ばぬ部分があると思う。
及ぶ部分は素体部分、生身的な特徴を持つ部分。
及ばないのは特殊装甲や火砲といった野生体が本来持っていないパーツ。

何故かというと、例えば火砲まで再生できるとしてしまうと便利過ぎるからだ。
「火砲をむしりとる→再生する→しめしめ再生したから元のパーツも戻してしまおう・これで武器が倍増した」
なんていう錬金術ができてしまう。
こうしたパーツは再生できない。破損したら後方基地で予備パーツと取り換えるしかないと思う。

しかし多少の制約はあろうとも、やっぱり自己治癒能力があるメカというのは凄い。
「金属なのに自己治癒能力を持つ」というのは地球人としてはイメージし辛い。
そのメカニズムはどうなっているのだろう。
この見解として、私はゾイドの素体部分とはナノマシンの集合体だと考えた。

ナノマシンとは大雑把に言うと微生物サイズの極小機械の事だ。
この機械はプログラムがされており、その通りに動くようになっている。
例えばガン細胞を攻撃するプログラムを持ったナノマシンを作る。
これをガン患者に投与、「体内に入ったナノマシンがガン細胞を破壊する」ように使用する事が期待されている。

製造方法が一般的なメカと大きく異なるのも特徴だ。
このサイズになると工業製品的に量産する事は難しい。なので、炭素やケイ素を素材として自己複製するようになっている。

自己複製という特徴から「複製機能が暴走したら地球全体を飲み込むグレイグーが発生する」なんていう危険性も指摘されている。
ただグレイグーは発生しないだろうとも言われている。なぜならナノマシンの活動には当然だがエネルギーが必要だからだ。
自己複製を行うには外部から絶えずエネルギーを供給する事が必須。供給がない限りにおいては自己複製をそれ以上する事ができずに停止してしまう。

さて、
ゾイドの素体部分がナノマシンであるとすれば、ダメージを自己修復する事は可能だと思った。
すなわち「被弾で穴が開く→ナノマシンがコアからのエネルギーを受けつつ自己複製を行い元の状態に戻す」というわけだ。

先ほど、自己修復が及ぶのは素体部分のみと推測した。
「特殊装甲や火砲などもナノマシンで構成すれば再生可能になるのでは?」と疑問に思われるかもしれない。
これはできないと思う。
「野生体が持つ機能」に関してはコアと関連付けてナノマシンを構成できる。
だが「野生体が持っていない機能」に関してはコアと結びつける事ができないのでナノマシンにできないと思う。

ライガーゼロは回復力が高い。「完全野生体だから驚異的な回復力がある」と解説されている。
野生体の姿に近ければ近いほど「コアが同調し動きの違和感が無くなる」事は周知の通り。
例えば、ゴジュラスのコアをシールドライガーに移植しても認識できず動かせない。
ワイツタイガーのコアはあえて違和感のあるオオカミ型ボディ(ワイツウルフ)への移植を行われ出力を制御されている。
ゾイドではこのような事がある。
逆に、細部まで野生体と似せた構造にすればナノマシンの自己複製・修復機能の”効き”も良くなるのだと思った。
こうして構成されたゾイドが「完全野生体」である、と。

ここまでをまとめよう。
「ゾイドの素体部分はナノマシンである。すなわちそこに限っては修復可能である。ただし修復にはコアからのエネルギーを使うため、使用回数は限られている」
「ゾイドの特殊装甲や火砲などは通常の(地球のものと同じような)構造である。ゆえに破壊されれば修復する事はできない」
という考えだ。

 

自己修復を考えたところで、次にオーガノイドシステムに移ろう。
本システムを使用した効果の一つが、回復力が劇的に向上する事だ。
バトストではゴジュラス・ジ・オーガ。
アニメではジークと合体したゾイドの傷が一瞬で癒える描写があった。いや、傷がいえるどころじゃなかった。
一話でジークは廃棄された仮死あるいは完全に死んだシールドライガーを新品同様に蘇らせる事をやってのけている。

私は、オーガノイドとはスーパーナノマシン的なものだと思った。
(名称は適当にスーパーと付けただけ。要は強化型というかより効果の高いナノマシンというような意味と思ってほしい)

通常ゾイドのナノマシンは、「野生体と同じ状態に回復させる」事のみができると推測した。
対してオーガノイドのスーパーナノマシンは、
「取り付いたメカを一瞬でスキャンし把握する。素体でも火器でも関係なく全て把握する。ダメージを受けた際はスキャン・把握した情報を元に全て修復できる」
また
「かかるエネルギーが極めて少ない」
のだと思った。

オーガノイドは「全て」を回復させる事ができるという考えだ。素体部分はもちろん火器なども含めて。
もちろん無限に可能なわけではない。やはりコアのエネルギーが許す限りという制約はある。
だがなにしろかかるエネルギーも低く抑えられているので劇的な回復力向上と言える。

更に学習機能を備えているとすれば、戦闘で経験を積んだ後にはそこで得たデータを反映して「自己進化」する事も可能なのかもしれない。
シールドライガーがブレードライガーになったり、デススティンガーが独自の姿に進化したように。

以上がオーガノイドシステムに対する考えだ。

 

最後にエヴォルトも考えよう。これはムラサメライガーがハヤテライガーやムゲンライガーに瞬時に「変身」するような現象を指した言葉だ。
これはオーガノイドシステムを更に発展させたもので、瞬時に現在状態の組織を分解し・別形態の姿に再構築するハイパーナノマシンだと思った。
(名称は適当にハイパーと付けただけ。要はスーパーナノマシンより更に効果の高い究極のナノマシンというような意味と思ってほしい)

自己治癒能力(元々からある能力)
オーガノイドシステム(自己治癒能力を発展させた能力)
エヴォルト(更に究極まで発展させた能力)

ゾイドのボディは地球的な技術で例えるとナノマシンのようなもので出来ている。
こう考えてこれらの要素を解釈してみた。可能性の一つとして、このような解釈もありだと思う。

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