パッケージの中のゾイド -機獣新世紀ゾイド-

ゾイドの魅力の一つに、パッケージがある。

本コラムは、こちらの続きのになる。
今回のコラムでは、前回のメカ生体ゾイドのパッケージに続き、機獣新世紀ゾイドのパッケージを研究したいと思う。

機獣新世紀ゾイドは、1999年から2004年に展開された。
メカ生体ゾイドシリーズには及ばぬまでも、かなり長期展開したシリーズだ。アイテム数も膨大に及ぶ。
そして、メカ生体ゾイドに比べれば比較的パッケージは統一されているように思う……とはいえ、やはり年代ごとに微妙な差がある。
今回、その辺りが解き明かせればと思う。

では早速、見てみよう。メカ生体のパッケージと同じく、年代ごとに見ていこう。

-1999年のパッケージ-

この年の8月、ゾイドは復活した。8月からの展開だったのに、この販売数。いかにゾイドがスタートダッシュをかけたかが改めて分かる。
そして非常に統一感のあるパッケージである事が分かる。

「小型ゼンマイ級」とか「中型ゼンマイ級」とか、各クラス毎でレイアウトに差はつけられていない。全て統一感のあるレイアウトになっているのが特徴的だ。
メカ生体ゾイドでは、たとえば小型ゼンマイ級と中型ゼンマイ級では、明確にレイアウトが異なっていた。
「各クラスごとの違いを出す」という意味ではメカ生体ゾイドシリーズに分があると言える。
「ゾイドシリーズという統一感」では、機獣新世紀ゾイドシリーズに分があると言えよう。
ただクラス毎にレイアウトを買える事には、意味もあると思う。
同じゼンマイゾイドでも、次はワンランク上のHiユニット搭載型を…というように思いやすいところはあると思う。どちらが良いかは、難しい判断だろう。

レイアウトを少し考えよう。メカ生体ゾイドのパッケージと比べてみたい。

まずぱっと分かるのは、その作りこみの差だ。
メカ生体ゾイドのものは、背景に機体をぽんと置いた感じで撮られている。キットの造りもシールを貼った程度で後は素組み。写される機も、その一機だけになっている。
対し、機獣新世紀ゾイドのものはとにかく作り込みが激しい。背景も凄いし、機体自体もスミ入れやウェザリングが施されている。また複数機で写っているものも多い。
見比べると、その造り込みの差がやはり凄い事を、改めて思わされる。
また、CGが多用されているのも特徴だ。これは時代の差という事もあるだろう。

背景の空は、メカ生体ゾイドでは、開始からしばらくは青紫で統一されていた。86年からは改定され、青空に統一された。90年からは更に改定され、夕日に統一されている。
対し機獣新世紀ゾイドでは、そのゾイドに最も似合う空が、各個で使用されているように思う。
統一感は無いものの、その分、各ゾイドの魅力を最大限に引き出したパッケージだと思う。

基本的に、「ZOIDS」のロゴは左上にあり、右上には機体の名前が入っている。これはメカ生体ゾイドのパッケージと共通する。

例外もある。ブラキオスはそうなっておらず、ZOIDSロゴの位置が右上になっている。「機体形状の都合でそうなっている」と見るべきだろう。
ただ、機獣新世紀ゾイドのパッケージは、メカ生体ゾイドのものに比べて自由だ。様々な角度から写されているし、複数あるいは他機種が写りこむことさえ許容されている。
その事を考えると、ブラキオスもレイアウトを工夫し、ZOIDSロゴが右上、機体名が左上という統一にした方が良かったと思える。

機体の名前は、うるさくならない程度に装飾されたレタリングになっている。共和国側が青、帝国側が赤に統一されているのはさすがだと思う。
さて、メカ生体ゾイドでは、初期の大型ゾイドは「ZOIDS」ロゴと同じデザインで、機体名が記載されていた。これは正直、豪華な反面、読みにくいという弊害があった。
中期以降、機体名は全てシンプルなIMPACT書体で記載されるようになった。
おそらく機獣新世紀ゾイドにおける機体名は、メカ生体ゾイドの箱の教訓から生まれたものだろう。
つまり、「読みやすいがある程度は装飾されており豪華さはある」こういった所を考えると、非常に前シリーズを研究したパッケージであると言える。

もう少し詳しく見よう。

パッケージには、必ず「010」等の番号が、分かりやすい位置に入るようになった。

これは、もちろん「RZ-010」等の型式番号だ。
メカ生体ゾイドでも、型式番号という設定はあったし、パッケージに必ず記載されていた。
だが、これほど分かりやすく載っていたわけではなく、ともすれば見落としそうな位置・大きさでしかなかった。

これは、販促的な意味合いが強いのではないかと思う。やはり、これだけ分かり易く目に付きやすく通し番号がふってあると、いやがおうにも揃えたくなってくる。
型式番号というのは非常にミリタリーな設定であり、ゾイドらしいものだと思う。その型式番号をこのようにしたのは、非常に上手い活かし方だと思う。
ただ一方、この型式番号は両軍で共通した番号になっているので、リアルな雰囲気は低いとも思う。
型式番号はメカ生体ゾイドにも付いていたが、リアルさいう点ではメカ生体ゾイドの方が上であった。
そのことを考えると、少々痛し痒しな所はあると思う。
また細かいことをもう一つ。メカ生体ゾイドのパッケージは、型式番号と共に「装甲機甲型」とか「電子戦用戦闘機械獣」とか、そのゾイドに合った文言の記載があった。
それは機獣新世紀ゾイドのパッケージには見当たらない。この点は、少し寂しいと思う。

 

差は他にもある。幾つか、明らかな「進化」として良いであろう部分を見つけた。
まず、箱に国章が大きく載るようになった事だ。
メカ生体ゾイドの時代は、国章は箱に載っていなかった。ただ89年から少しずつ載るようになり、90年リリース機は全て掲載されているが。

ゾイドは、基本的に見ただけでどちらの属か分かるデザインと色になっている………とはいえ、そりゃあ無いよりある方が良いだろう。
機獣新世紀ゾイドのパッケージが、統一して全てに国章を入れるようになったのは、とても良い事だと思う。

組み立てレベルが記載されるようになったのも、大きな特徴だ。これは対象年齢を考えると、非常に良い表記だと思う。
ただ実際の組みや易さと比例しているかと言えば疑問もあった。
ただ単に値段の低いキットは組み立てレベルが低く表記され、高いゾイドは組み立てレベルも高く表記されるものであったと思う。
確かに高いゾイドはパーツも多く組むのが難しいというのはある…が、例外もある。
この部分は、せっかく良い要素を加えたにもかかわらず、中途半端になってしまったと思う。

さて、総じて、機獣新世紀ゾイドのパッケージは、メカ生体シリーズのパッケージから良い部分を研究して構成されていると思う。
その上で、1999年だからこそ出来る要素を加えた、非常に素晴らしいパッケージになっていると思う。

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-2000年のパッケージ-

2000年のパッケージは、1999年と変わる所が無い。
やはり1999年のゾイド復活時、トミーは相当の気合を入れてパッケージのレイアウトを考え、貫く決意をしたのだろう。
だから、これは「変わっていない」というより「変える必要が無かった」と言うべきだろう。

しかしこの年のゾイドでは、一つ注目すべき点がある。
この年は、限定ゾイドが3つリリースされている。シールドライガーDCS-JとアイアンコングPK、ゴジュラス・ジ・オーガだ。
このパッケージの左上を見てみよう。
限定ゾイドを表す「限定」のロゴが入っているが、これがメカ生体ゾイド時代の限定ゾイドに付けられたロゴに似ていて面白い。

斜めで写している所も同じで、かなりソックリな印象を受ける。特にPKやジ・オーガは、メカ生体世代へのファンサービス的な意味も多かった機だと思う。
そう考えると、非常に細かい点ながら素晴らしく配慮の利いたものであり、ニヤリと出来るものではないだろうか。

また、PKとジ・オーガは、機体名のロゴが非常に大きいのも特徴だ。横枠一杯に機体名が入っており、ZOIDSロゴは小さくなっている。
我が名は!という主張がたっぷりで、限定ゾイドとしてはなかなか良い構成ではないかと思う。
いっそDCS-Jもそうなっていても良かったと思う。

 

またもう一つ。1999年と2000年のパッケージを見ていて、一つ気付いたことがあった。
基本的に、機獣新世紀ゾイドのパッケージは、横レイアウトが使用されている。
メカ生体ゾイドでは、小型ゼンマイ搭載のゾイドは縦レイアウトだった。しかしそのクラスも含めて横になった。
ただ、ゴジュラスとアイアンコングのみ縦レイアウトだ。そのバリエーション機、ジ・オーガやPKも縦レイアウトになっている。
この二機だけが特別仕様になっている事が分かる。

ゴジュラス、コングと言えばメカ生体ゾイド初期からの二大ゾイド。
その二機に敬意を表し、機獣新世紀ゾイドのパッケージでは、「パッケージは全て横レイアウトだが、この二機だけは縦レイアウト」となったのではないだろうか。
そうであれば、なかなかニヤリと出来る措置ではないだろうか。

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-2001年のパッケージ-

2001年のパッケージも、引き続き同じレイアウトを維持している。
そんな中で、ライガーゼロとバーサークフューラー、ライガーセロイクスは異質な背景になっている。

設定上、これらの機は「究極野生体」を用いた、他とは一線を画する革新的なゾイドだった。それゆえに、レイアウトがわざわざ分けられたのだろう。
しかしこうして見比べると、ジオラマの方が良いような気もする。
翌々年には、ライガーゼロの更なるバリエーション機「ライガーゼロフェニックス」がリリースされているが、こちらは他と同じジオラマ構成になった。
最終的に、ジオラマの方が良いという結論に達してしまったのだろう。

メカ生体ゾイドでも、24ゾイドがリリースされた際は、当初はクールで異質なパッケージになっていた。
しかしあまり受けが良くなかったようで、後半の機は他と同じジオラマ構成に戻った一件があった。

これらの事例は、ジオラマの良さを再確認するものだろう。
ライガーゼロなどは、機体名のロゴも専用のものになっている。しかしこの点も、パッケージレイアウトとしてはあまり報われなかったようだ。

その他のゾイドは、前年までのレイアウトを引き継いでいる。ただ細かく見ると差もある。
コマンドウルフAC以降のゾイドは、国章が省かれている。理由は不明だが、何故外してしまったのだろう。とても悔やまれると思う。
まぁ、外されたといっても型式番号記載の部分には載っているので、過不足ないと言えばその通りでもあるが…。

また、ケーニッヒウルフのパッケージも注目すべきだ。この機体は、機体名が専用のロゴになっており、やや別格感がある。
設定上、ケーニッヒも強い野生体を使用したゾイドだったので、ライガーゼロ程ではないがアピールはしたい… という思惑があったのだろう。

この年の特徴は、ほんのわずかだがレイアウトに差が出始めた事と、特別機は専用のレイアウトを使用するようになった事と言える。

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-2002年のパッケージ-

この年も、基本的には多くのゾイドが前年までのレイアウトを引き継いでいる。
ただ、この年のゾイドは何故か「ZOIDSロゴが左上、機体名が右上」という逆転レイアウトになっているものが多く、謎だ。
もしかすると、ゾイドシリーズもすっかり定着したし、そろそろシリーズ名より機体名を先に書いてもいいだろう という判断があったのだろうか。
なお2003年には、再びZOIDSロゴが左上の構図に戻っている。

この年は、ZOIDSのロゴが改訂された年でもある。6月にZOIDSのロゴは刷新された。

それに伴い、6月以降にリリースされたゾイドについては、ZOIDSロゴが新しいものに変っている。
なお上の画像を見ていると、6月以降のリリースは2機だけ?と思ってしまうだろうが、そうではない。
この年の6月には、「ブロックスゾイド」が誕生し、多くリリースされている。ただしブロックスのパッケージは、後で別途考察したいので、ここでは略している。

またもう一つ、機獣新世紀ゾイドとは別に「ゾイド妄想戦記シリーズ」が開始された年でもある。

この年の後半は、これらの発売が続いたから、必然的に機獣新世紀ゾイドシリーズの機体が少なくなったものである。
(なお妄想戦記シリーズに関しては、機獣新世紀ゾイドとは別のシリーズであるから、今回のコラムでは扱わないものとしたい)

ブラッディデスザウラーは限定ゾイドだ。しかしそのレイアウトは、シールドライガーDCS-Jなどの過去の限定ゾイドとは違い、かなりデザイン的なものになっている。
クールでカッコいい反面、やはり少し物足りないような気もしてしまう。ただ頭部を巨大に映した構図は大胆で、巨大ゾイドのインパクトは抜群でもある。

ゴジュラスギガは通常ゾイドだが、レイアウトは他のゾイドと少々違う。ジオラマを使用しておらず、これもデザイン的に仕上げてあるものだろう。
ゴジュラスギガは、前年のライガーゼロと同じように「共和国にとって革新的な機体」として登場したから、このようになったのだろう。
しかし、やはりあまり受けなかったのだと思う。
翌年に発売された「帝国にとって革新的な機体」 ゴジュラスギガの対の存在である、セイスモサウルスは、他と同じジオラマを使用していた。
決して悪くない… それどころか非常に良い構図だとは思うが、それ以上にジオラマの人気が高すぎたという結果だろう。

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-2003年のパッケージ-

この年も、上半期までは前年までのレイアウトを引き継いでいる。
だがセイスモサウルスのリリースと共に、大きく変化した。
上下にデザイン的なタグが付き、そのタグの左上にZOIDSロゴが入るようになった。右下には丸があり、その中に型式番号などの情報が入っている。
これまで、「基本的にロゴは左上だが例外もある」「型式は空いたスペースの邪魔にならない位置に配置する」というものだった。
だが、この「上下タグのレイアウトをテンプレート化する」事で、完全に固定された位置になった。
デザイン的にはなかなかオシャレで、悪くないものだと思う。反面、まとまりすぎた感じもあると、個人的にはしてしまう。

機体名のロゴも変った。機体名はフチドリだけで示されるようになり、これは正直読みにくくなったのではないか…と思う。
ただそのおかげで、セイスモサウルスのような大胆な配置も可能になったのではあるが…。

凱龍輝は、ロゴが漢字で大きく書かれている。またこの機体のみ、フチドリだけでなく中まで色が付いている。フォントは毛筆のようになっている。
唯一の漢字名を持つゾイドだけに、ここは特別であって当然だろう。

プロトゴジュラスギガは限定ゾイドだ。そのレイアウトは、前年のブラッディデスザウラーと対になっており、並べると非常に面白い。

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-2004年のパッケージ-

この年のレイアウトは、前年セイスモサウルス以降のレイアウトを引き継いでいる。
特に特出した特徴は無いと思う。

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次に、ブロックスゾイドのパッケージを見よう。

-2002年のブロックスのパッケージ-

ブロックスゾイドのパッケージは、ジオラマではなく3DCGとなっている。その為、通常ゾイドのパッケージと並べた時の違和感は大きい。
ジオラマは全く使用されていないわけではなく、箱裏には掲載されていたりする。

ここから考えるに、あえて3DCGを選んだという事だろう。

当初、ゾイドブロックスシリーズは、通常ゾイドシリーズと世界観が同じなのか違うのか、明確でなかった。
それが徐々に混ざり始め、なし崩し的に合流している。
もしかすると、当初は世界観を切り離して展開するつもりだったのかも…と思えるパッケージでもある。
あれだけ、それこそSSゾイドから超大型までレイアウトを統一していたゾイドのパッケージなのに、ブロックスシリーズだけこの異質さなのだから。

レイアウトは非常にまとまっていると思う。
上部にZOIDSロゴ、下部に機体名と統一されており、並べた時の統一感が気持ちいい。
3DCGの絵は、絵ならではのパースを効かせたものではなく、比較的落ち着いた大人し目なものになっている。
この点はメカ生体ゾイド末期のTFゾイドなどと対照的だ。

比べると、TFゾイドのものは主張が強すぎて品の無い感じがする。ブロックスシリーズのものの方が良いと思う。

パッケージは、小型のものは縦箱、一定以上大きなものは横箱になっているようだ。この点も、横レイアウトを基本としていた機獣新世紀ゾイドと異なる。
やはりブロックシリーズは、当初は世界観の異なるシリーズとして予定されていたのだろうと、改めて思える。

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-2003年のブロックスのパッケージ-

レイアウトが途中から変化している。
この年、通常シリーズもセイスモサウルスからレイアウトが変わっている。それに合わせたものだろう。
ジオラマを使用していないという点を除き、ほぼ同じレイアウトになった。
最初は全く異なるレイアウトだった通常シリーズとブロックスシリーズのパッケージ。だがこの年の中盤から同じレイアウトになったというのは興味深い。

ただ、こうして並べると、従来のものの方が見やすいような気もする。特に機体名は、変更後のものは非常に見にくい。
通常シリーズは箱が大きいからまだ大丈夫だと思う。しかしブロックスシリーズは、どうしても箱が小さい。
レイアウトの統一もいいが、もう少し見やすさを配慮した方が良かったと感じる。

背景は、従来はコアブロックスを思わせる背景だったのが、レーダースクリーンを思わせるようなものになった。

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-2004年のブロックスのパッケージ-

この年のパッケージは、2003年後半のものを引き継いでいる。

 

ブロックスのパッケージは、見ているととても興味深い。
先のも書いたように、初期のものは通常ゾイドとは全く違うレイアウトになっており、ブロックスシリーズ特有の雰囲気を持っていた。

だが、2003年にセイスモサウルスが発売された時から、レイアウトは通常ゾイドと同じものになった。

先に、当初、ブロックスシリーズだけパッケージが通常ゾイドと違う独自のものだった点において、「世界観が異なるものとして進める予定だったから」と推測していた。
2003年は、これが徐々に合流し、同じ世界観として扱われ始めた年だ。
そしてセイスモサウルスが登場した頃は、もはやブロックスゾイドは完全に同じ世界観のものとなり、それどころか物語に欠かせないキー的存在になっていた。
従って、パッケージもこのように統一されたのではないだろうか。

ブロックスの世界と通常ゾイドの世界が合流すべきだったかについては、様々な意見や議論があろう。それは今回の趣旨から外れるので略したい。
ただレイアウトとしてみると、合流した後のパッケージはなかなか面白い。
上下のタグなど、通常ゾイドと同じ構成になったが、一方で3DCGを使用する点や背景がレーダーのようであるなど、ブロックス独自の要素も残している。
両者の歩み寄りというか、なかなか良い仕上がりだと思う。
ただ機体名が読みにくい点だけは、先にも書いた通り弱点だと思う。


以上、機獣新世紀ゾイドの、機体の全パッケージを見てきた。

改めて思うのは、その統一感だ。
メカ生体ゾイドが、何度もレイアウト変更を繰り返していたことから考えると、機獣新世紀ゾイドは最後までレイアウトをよく保っている。
先にも書いたが、前シリーズの教訓から入念な研究を行い、その結果出来上がったパッケージなのだろう。そして、だからこそ最後まで貫けたのだろう。

もう少しだけ、考えてみたい。

メカ生体ゾイドのパッケージは、本当に時期によって変っている。初期のものはSFテイストが強かったが、中期以降にそれは無くなった。
これは、メカ生体ゾイドは、展開すると同時に世界観が変化していったからだと思われる。初期はSFを売りにしていたが、中期以降はリアル系ミリタリーにシフトした。
末期にはテコ入れか、何かよく分からないサイバーなものになっているが…。

機獣新世紀ゾイドのパッケージは、メカ生体時の展開を総合的に判断し、下されたものなのだろう。
メカ生体ゾイドはどうやったらより受けるかという手探りの中で展開していった。だから途中で大きく変化していったのに対し、「ゾイドと言えばこれが一番受ける」という地盤を既にあったのだと思う。
第二期シリーズならではの恩恵と言える。

ただそうはいっても、機獣新世紀ゾイドも、年を経るごとに少しずつ微妙に変化している部分はある。
まず、右から、1999年から2001年のパッケージを並べてみた。

1999年=ゴルドス。2000年=デスステインガー。2001年=ガンブラスター、ライガーゼロ。
1999年と2000年は、レイアウトに差は無いようだ。
2001年のものも差は少ない。ただ先にも書いたように、「箱の属国の紋章が大きく記載される」のが無くなった。
そしてこの年からは、「特別機」には特製の専用パッケージが用意されるようになった……が、これは後に廃れている。

次に、2002年~2004年のものを並べた。

2002年=ガンタイガー。2003年=シュトルヒ、エナジーライガー。2004年=レイズタイガー。
2002年は、2001年と同じレイアウトをしている。ただこの年の中ごろにZOIDSのロゴが改定されたので、それ以降のものはZOIDSのロゴが新ロゴになっている。
2003年は、前半は前年と同じレイアウトをしていた。しかし後半でレイアウトに改定が加えられている。上下のタグなどだ。
ややスタイリッシュになった印象だろうか。そうはいっても、ジオラマ主体の構成は変っていない。
2004年も、このレイアウトが引き継がれている。

 

さて本当に何度も書いているが、機獣新世紀ゾイドのパッケージは、多少の改定を加えられながらも、最後まで素晴らしい統一感を出して走りきった感じがする。
加え、ブロックスゾイドのパッケージも最終的に似たレイアウトになったのは、先に書いた通りだ。

とにかく言えるのは、やはり素晴らしいものだという事だ。
散々、考察してみたものの、結局その一言でいい気さえしてくる。
メカ生体ゾイドのものも素晴らしいし、機獣新世紀ゾイドのものも素晴らしい。

みたび、ゾイドが長期シリーズとして展開される機会があれば、その時も両シリーズのような素晴らしいパッケージを拝みたいと思うばかりだ。
シリーズの箱を研究していると、本当にそう思える。

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