共和国24ゾイドのこと

個人的に72ゾイドに匹敵する位に大好きなシリーズで、デザイン的には帝国側よりも好みです。
しかし大多数の意見とは言いがたいようで、色々と物議をかもし出しているシリーズでもあります。

1:スケールが違うので通常ゾイドと並べられない
2:大きなクリアパーツは改造が困難

これが主な否定要素としてあげられる項目です。
確かに言われる通りで、反論しにくいと思います。

ただ1のスケールに関しては、そういうシリーズなんだから……とも弁護したい所ではあります。
しかしその上で更に言うなら、1/72モデルも同時に出して欲しかったと思います。
それが可能かどうかというと「不可能ではなかった」筈です。

例えば「食玩で1/72版を出してみる」というのは有効だったと思う。
これは食玩造形技術の上がった21世紀だから言える事では?と思われるかもしれません。
けれども、実はメカ生体シリーズ当時のゾイド食玩にはとんでもないものがありました。


こちらはメカ生体シリーズのリアルタイム世代ならご存知の方も多いであろう、カバヤのゾイドガムシリーズのディバイソン。
驚異的な事に、色以外はほぼ完璧にオリジナルを再現しています。
手動ではあるものの、ギミックもオリジナルとほぼ同一を有しています。
コックピットは開き、武器や脚部は動きます。オリジナルが間接を持つならゾイドガム版も動きます。

同じくカバヤの「トランスフォーマーガム」と並び、「オーパーツ」「食玩の最高峰」とも称されるシリーズで、まさにその呼び名に相応しい完成度を誇ります。
これを凌駕するものは21世紀の食玩でも無いと言い切って良いでしょう。
売価は当時価格で一つ200円。

願わくば、このシリーズでゾイド24があったなら……。

実際に出ていれば、この位の大きさだったでしょうか。
もちろんゾイドガム版という事になれば、色は少し変わってしまうでしょう。最悪、クリアパーツは無くなってしまうかもしれなません。
ただ、造形に関しては確実に、寸分違わぬ素晴らしいものが出来ていただろうと思います。

スケールに関しては、私は以上のように考えています。

 

次に2の改造が困難な事に関して。
これ関しては、残念ながら全くその通りで、共和国24ゾイドは最も改造が困難なシリーズであることは否定できないでしょう。
もちろん見事な改造作品があるし、学年誌でも幾つかの改造タイプが登場したのは事実です。
ただターゲット層を考えるとやはり困難と言わざるを得えません。なにせクリアパーツは破損の危険度が通常の比になりません。

なぜ改造が困難な仕様をあえてリリースしたか。 理由はいくつか考えられると思います。
まず、この時期のゾイドは既にバトルストーリーすっかり定着していました。
従来の「自分だけのゾイドを作る事」よりも「バトルストーリーの設定を楽しむ事」が提唱され、ユーザーも認知していた時期です。
そういう時期にあって、改造を考慮しないものが現れたとしても不思議ではなかったように思えます。

変わったと捉えるか変わってしまったと捉えるかは人それぞれだと思いますが、私としては後者寄りに思っています。
ただ、それでも共和国24ゾイドが好きなのは、否定要素を覆すだけの実力をデザインが秘めているからだと思います。
そしてメーカーにも、その自信があったのでしょう。

でなければ、このような奇抜なシリーズを大々的にリリースしたりはしないでしょう。

共和国24ゾイドに関して、そのように思っています。
つまるところ、絶対に否定要素は覆せないものであるし、だからこそ物議をかもしているのだと思います。
それでも私としては、その要素を認めた上で、なお共和国24ゾイドは好きでいます。
私は、共和国24ゾイドのデザインの素晴らしさを今後とも訴えかけていきたいと思っています。

 

~共和国24的デザイン~

これが80年代に出たとは思えないほど、今見ても十分すぎるほど通用するデザインだと思います。
おそらく「未来的」を目指したと思えるデザインは、登場から20年以上が経過した今の目で見てもなお鮮烈で、魅力は一切色あせていません。

共和国24ゾイドを見ると、あるものを思い出してしまいます。


iMac(Rev.A)
1998年にリリースされたiMacは、当時危機的状況にあったマッキントッシュのシェアをある程度回復させる程のヒットを記録しました。
その要因の筆頭として、性能もさることながら、優れたデザインが挙げられます。
なにせ、当時のWindowsマシンは工業製品然としたものしか無かったのだから……。

iMacは、クリアボディーを採用し内部のメカをちらつかせている所など、共和国24ゾイドのデザインとかなり共通しています。


iMac(Rev.C)

1999年にリリースされた新型iMac。
Rev.Aはブルー一色でしたが、Rev.Cではカラーバリエーションが行われ同年のグッドデザイン賞の金賞に輝いています。


iBook
1999年にリリースされ、やはりそのデザインで話題と人気を呼んだノートPCです。
貝を思わせるデザインは今見ても色あせない魅力的を持っています。

というように、マックと共和国24ゾイドは似ていると思います。
ちなみに、iMac(Rev.A)は、当時記録メディアの主力だったフロッピーディスクを思い切って廃止し、代わりにUSBを搭載した初めてのPCでもあります。
iBookもまた、世界で初めて無線LANを搭載したノートPCで、革新的な存在として記録されています。
なんとなく、そんな所も革新を目指した24ゾイドと共通するように思えます。

 

「デザインの革新」「マックならではの独創性」とまで言われたデザインはまさに絶賛一色で、影響を受けた亜流も多く生まれました。


大抵は、劣化コピーとしか言えないものでしたが……。

こうした事は、強烈なマックファンを生む原動力ともなりました。
個人的には、そんな方にとって共和国24ゾイドはどう見えるのかなぁ……という事が少し気になってしまいます。


マックを真似てカラーバリエーションを。
実際の製品は濃い青だからこういう色変更は無理ですが、CGならではの技術で気分だけでも。


ちなみに変り種だと、こういうガラのマックもあったりします。
デカールを駆使して再現してみようという方はおられませんでしょうか。

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